甲状腺全摘手術を受けた際、副甲状腺が取れてしまうことは珍しくはありません。
副甲状腺が取れてしまうと、一時的に副甲状腺の働きがダウンしてしまいます。
甲状腺全摘後は副甲状腺が取れてしまうことで血液中のカルシウムが低下し、テタニーという症状を引き起こす可能性も。
テタニーの症状については筆者の経験をもとにまとめているので、そちらをご参考にしてください。
甲状腺全摘後に副甲状腺の機能が低下した場合、カルシウムを服薬または点滴をして血液中のカルシウムの数値を上げていきます。
そのため、食事においてもカルシウムは積極的に摂りたいですが、リンの摂取においても意識を強く持っておくと良いでしょう。
そこで、甲状腺全摘後に気を付けたい、リンとカルシウムの関係性についてご紹介します。
甲状腺全摘後にカルシウムを摂取したい理由
甲状腺全摘後は副甲状腺が取れてしまうなどで、副甲状腺の働きが低下します。
副甲状腺の働きが低下すると、血液中のカルシウムが低下。
筆者は甲状腺全摘とともに副甲状腺が取れてしまったため、カルシウムの数値が下がりました。
そのため、カルシウムを補給する乳酸カルシウム水和物「ヨシダ」と、ビタミンDを補給する薬アルファカルシドールカプセル1mg「トーワ」を服薬。
ビタミンDはカルシウムのバランスを整えたり、骨の健康を保ちます。
また、カルシウムの吸収を促進するため、カルシウムとビタミンDは同時に服薬していました。
ちなみに、甲状腺全摘後にカルシウムの数値が下がっていない場合は、カルシウムの服薬は不要です。
しかし、筆者のように副甲状腺が取れてしまったり、カルシウムの数値が下がった場合にはカルシウムとビタミンDの服薬は欠かせません。
また、服薬だけに頼らず、食事面でも積極的にカルシウムとビタミンDを摂取したいですね。
このように甲状腺全摘後にカルシウムの数値が下がっていたら、服薬でカルシウムの数値を上げることができます。
これには個人差があり、一時的な服薬でカルシウムの数値が基準値に上がる人もいれば、長期戦になる人も。
筆者の場合は、服薬開始から5ヵ月でカルシウムの数値が基準値に上がりました。
そこから2年経過していますが、カルシウムとビタミンの薬は服薬していません。
しかし、一時的に副甲状腺の機能が低下してテタニーを経験しているため、食事でもカルシウムの摂取を意識するように心がけています。
甲状腺全摘後にカルシウムの数値が下がったらリンに気を付けよう
甲状腺全摘後にカルシウムの数値が下がった場合、リンの摂取に気を付けましょう。
リンは現代社会の食生活において、不足することはないといわれています。
リンの摂取で気を付けたい点は、リンを過剰摂取してしまうことです。
甲状腺全摘後、カルシウムの数値が低い状態でリンを過剰に摂取してしまうと、骨量や骨密度が減る原因に。
また、リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げてしまいます。
そのため、甲状腺全摘後にカルシウムの数値が低くなった場合は、リンの摂取を控える食事が大切です。
甲状腺全摘後のリンとカルシウム。摂取は同じ量が理想的
リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げ、カルシウムの過剰摂取はリンの吸収を妨げてしまいます。
そのため、リンとカルシウムの摂取量は同じ量が理想的です。
特に甲状腺全摘後でカルシウムの数値が低い場合、カルシウムを積極的に摂取する必要があります。
しかし、リンを過剰摂取してしまうとカルシウムの吸収が妨げられてしまう原因に。
そこで、リンを過剰摂取しない具体的な方法とカルシウムが豊富な食品をご紹介します。
リンが多く含まれる食品を知り過剰摂取を防ぐ
筆者は甲状腺全摘後に副甲状腺が取れたことによる合併症で、テタニーを経験しています。
テタニーが起きた原因は、一時的にカルシウムの数値が下がってしまったからです。
スナック菓子はリンを多く含むので控えるように看護師から注意されました。
また、スナック菓子に限らず加工食品にも注意が必要です。
甲状腺全摘後の血液検査でリンの数値が基準値であれば、スナック菓子と加工食品を控えるだけでも良いでしょう。
※筆者の経験上なので心配な方は医師の判断をしっかりと聞くこと!
リンが豊富な食材においては、下記サイトが参考になるのでチェックしてみてください。
カルシウムが豊富な食品
カルシウムが豊富な食品は、野菜・乳製品・魚が一般的です。
毎日の食事で積極的に食べることで、カルシウムの数値が基準値に上がることも期待できそうです。
カルシウムの薬が出されているからといって乱れた食生活を送っていては、良くなるものも良くなりません。
健康的な食事は体つくりの基本。
カルシウム摂取を積極的におこない、数値を基準値に戻す手助けをしましょう。
筆者は「野菜と乳製品を積極的に食べ、それが難しい時は飲むヨーグルトなどでカバーをしてください」と看護師からアドバイスを頂きました。
カルシウムが豊富な食品を具体的に知りたい人は、下記サイトが参考になるでしょう。
甲状腺全摘後はリンとカルシウムを意識!健康な体作りは食事が基本です
甲状腺全摘後は、体に大きな負担が掛かっている状態です。
また、カルシウムの数値が下がっている場合は早めの処置が必要。
入院中は病院で定期的に検査がおこなわれ、服薬の管理をしてもらうことができます。
しかし、退院をしたら服薬も食事も自己管理が大切です。
カルシウムの数値が基準値に戻るように、服薬だけに頼らず食事を変える意識が必要でしょう。
どうしてもスナック菓子や加工食品が食べたくなってしまったら、量を少なめにするなどして工夫をすると◎
筆者のようにカルシウムの数値が下がってしまった場合、医師や看護師にしっかりと相談をしましょう!
食事は未来の体作りでもあるため、病気をきっかけに食事を変えることも視野にいれてみてはいかがでしょうか?
カルシウム摂取で筆者が毎日続けていること
甲状腺全摘後にカルシウムの数値が低くなった筆者は、カルシウム摂取を意識した食事を取り入れています。
しかし完璧におこなうとストレスになるので、できる範囲でやりやすいことを模索しました。
まず、手軽に始めることができるのはミロです。
ビタミンDとカルシウムが含まれているため、効率よくカルシウム摂取ができます。
そして普段の食事では野菜を積極的に食べるように心がけています。
良く食べるのは小松菜です。
鉄分とカルシウムが豊富な小松菜はみそ汁やお浸し炒め物など、多岐に渡り調理することができます。
このように、筆者は身近なもので手軽にカルシウムを摂取するということを心がけていますよ。
リンの過剰摂取で筆者が気を付けていること
現代社会の食事では、リンの不足は考えにくいといわれています。
逆に、過剰摂取の方が問題視されているのです。
そのため、本記事でご紹介したように加工食品やスナック菓子は適度に食べるようにしています。
食べないという選択肢もありますが、1つの嗜好品として楽しみたいため辞めるという選択は難しかったです(汗)
筆者はスナック菓子が好きなので、その代わり加工食品はあまり食べないなど工夫はしています。
甲状腺全摘後はカルシウムとリンのバランスを考え、元気に過ごそう♪
甲状腺全摘後を元気に過ごしたいなら医師の指示をしっかりと守り、決められた服薬を続けることが大切です。
また、この記事でご紹介したリンとカルシウムの関係性を頭の隅に入れておくと良いでしょう。
食生活は未来の体作りに欠かせないので、この記事が甲状腺全摘後の患者様の参考になれば幸いです。
甲状腺疾患は通院・検査・服薬など、医療費がかさみます。
これを機に保険を見直してみるのも良いでしょう。
この記事を執筆するにあたり参考にしたサイト














